BLEロケーションとDX戦略

BLEビーコンを利用したDX戦略
BLEビーコンとDX戦略

企業のDX(デジタル・トランスフォーメーション)戦略とは、IoTやAIといったデジタル技術を活用し、従来のビジネスモデルや業務プロセスを革新して、組織の競争力や価値を向上させる取り組みを指します。

 

多くの企業ではすでに「業務の見える化」から「業務のデジタル化および標準化」へと進んでいる状況かと思います。

 

一方で、定型業務のデジタル化や標準化が進む一方、非定型業務では遅れが見られることもあり、業務や作業レベルでのDX化のギャップ解消に取り組む企業も多いです。

 

BLE(Bluetooth Low Energy)ビーコンは、超省電力で安価に様々なセンシング機能を実現できるデバイスです。これを社員に携帯したり、医療機器や工場の工具、倉庫内のカゴ車など資産に取り付けることで、人や資産の位置情報をリアルタイムで収集し、業務プロセスの可視化や最適化に役立てることが可能です。低コストで短期間導入が可能なBLEスマートロケーションシステムの活用で定型業務と非定型業務のギャップを埋める事を御検討下さい。

そもそもBLEビーコンって何?

BLEビーコンはBLEBluetooth Low Energy)技術を利用して一定の間隔でデジタル信号(識別情報)にタイムスタンプ情報を加えて送信する小型デバイス。これらの信号はスマホ、タブレット、IoTゲートウェイなどの受信機で受信され位置情報や各種センサー(温度、湿度、加速度、---)情報を活用する為に利用されます

BLEビーコンの特長

 

・ 超低消費電力タイプで長期間(数カ月~数年)稼働可能。

・ 安価で導入設置が容易

・ 電波到達距離は100m程度(環境と受信機精度により異なる。

・ 複数のデバイスと同時接続が可能

・ センサーチップバンドルが容易

・ 社員様などが携帯するのに適したカードタイプから資産用取

  付タイプ、ナビゲーションや販促用としての据置タイプ 

  (USBタイプ)など形状は様々。

 

アクティブRFID BLEビーコン

RFIDとBLEビーコン
BLEビーコンはアクティブRFID

 

商品に貼られたバーコードやQRコードを個別にスキャンする方法とは異なり、電波を使ってビーコンやタグに記録された情報を非接触でまとめて読み書きできるRFID(Radio Frequency Identification Device)技術は、給電方式や使用する電波の周波数帯によっていくつかの種類があります。目的や運用面での使いやすさを考慮して、最適な選択をすることが大切となります。

RFID比較表

BLEビーコン + 各種センサーで見える化

BLEビーコンを活用することで、さまざまなセンサーを組み合わせて業務効率化やプロセス改善を実現できる可能性があります。例えば、BLEビーコンに搭載された加速度センサーを使って、小売店での接客指示を自動化することが考えられます。陳列されたランドセルに加速度センサー付きビーコンを取り付け、顧客が試着した際に別フロアの販売員へ接客指示を送る仕組みです。また、図書館では予約者が30分以上利用しない場合に予約を自動で取り消すようなソリューションも可能です。予約席の椅子に圧力センサー付きBLEビーコンを設置し、着座・空席を検知して一定時間空席の場合に予約を取り消す仕組みです。基盤搭載のチップセンサーから高精度センサーを外付けするなど、顧客の要件に応じた柔軟な組み合わせで実装できるのもBLEビーコンの魅力です。

BLEソリューションご紹介

会社設立後、最初に開発に取り組んだプロジェクトは「企業の会議室稼働状況の見える化」でした。会議室予約システムは機能しているものの、ユーザーからは「予約ができない」などの不満が多く、実際にどのように使用されているのか、予約システム上のデータではなく、実際の利用状況を把握したいという要望がありました。弊社はすでにBLEビーコンを利用したPhysical Web(URL送信)を販売していたため、このBLEビーコンに圧力センサーを接続し、人が着座したことを検知できるかどうかの検証を開始しました。試行錯誤を繰り返した結果、BLEビーコンもセンサー接続が必要で、金型製作からF/W設計、着座センシングの調整まですべてを行う必要がありました。当初の予定より約2カ月遅れましたが完成し、同時進行していたサーバー側アプリも同時期に完成・リリースしたのがBLEスマートオフィスです。このソリューションはロケーションシステムというよりも着座システム(または入退出システム)でした。その後、本来の目的である、人や物(資産)が企業内のどこに所在し、効率よく機能・稼働しているかを見える化するメインソリューションであるBLEスマートロケーションや、それとは逆のBLEモバイルロケーションを順次リリースしました。

BLEモバイルロケーションは物流倉庫業様を意識し普段携帯使用されているハンディ端末が倉庫内に設置したBLEビーコンを受信する事で作業スタッフ様の位置や移動経路を検知するソリューションですがBLEスマートロケーション導入を決められたお客様でもGW(受信機)設置場所を策定する重要なサイトサーベイ作業では使用致します。

 

BLEソリューションパッケージご紹介

※ 開発・販売元:バリューテクノロジーズ株式会社

BLE スマートロケーションシステムの利点

  • BLEスマートロケーション開発の背景 

          BLEスマートロケーションシステムは電波や位置測位アルゴリズムの専門家が設計した位置情報システムではなく業務改善を念頭に業

   務運用者の立場で設計したアプリケーション・パッケージです。よって如何にして位置測位精度を高めるかという事よりも如何にして

         業務の見える化、業務改善を推進するかを中心にどの様な情報が必要でそれらを外部システムとの連携によりリアルタイムで注意喚

   起、計画の見直しと再整備を自動化する事を目的としております。

  • 屋内位置追跡が可能となります。

  人やものにBLEビーコンを取り付けたり携帯する事で屋内環境でのリアルタイムでの資産(もの)追跡、社員や作業スタッフの所在

          管理、滞在時間の把握が可能となります。

  • 精度と正確性

弊社BLE Locationシステム(Smart Location System)は、独自の位置判定ロジックを用いてお客様が求める位置情報(エリア/ゾーン/通過ポイント)を収集し様々なレポーティングサービスをご提供します。決して高精度おいう訳では御座いませんのでお客様のご要件にマッチすれば安価で短期間での稼働、合わせてお客様で調整が可能なお客様オリジナルなシステムが構築出来ると考えてります。

  • 専門知識が不要で導入から運用までお客様自身で対応して頂けます。

BLEスマートロケーションシステムはお客様のニーズに合わせた柔軟なシステム構築が可能です。高精度な位置測位システムとは異なり、専門的な電波知識や図面制作システムでの相対座標軸管理は不要です。本システムでは、ロケーション>エリア>ゾーン>通過ポイント(入退出)の階層に分類していただければ、位置検知設定や導入後のGW(受信機)の変更作業などをお客様自身で簡単に行うことができます。

  • 柔軟性と拡張性

Smart Locationシステムは販売開始(2019年)以来バージョンアップや機能追加を加えておりそれらをチョイスする事でお客様に最 適なカスタマイズ(標準カスタマイズ)が可能となっております。図面管理も複数画面管理(マルチロケーション機能)が可能おなっておりますので検知対象エリアが増えた場合にも追加費用無しで拡張して頂けます。又、お客様基幹システムなどの外部システムとの連携に関してもWeb-APIを提供させて頂きます。

  • セキュリティと冗長化

ネットワーク設定に関してはお客様のご指示により設定させて頂きます。BLEビーコンに関してはMACアドレス管理とさせて頂きす。(成りすまし対策)システムの冗長性に関しては必要に応じてFTサーバ/エッジコンピューティング等ご提案させて頂きます。

 

BLE ソリューション導入例とDX効果

大手小売業様(スーパーマーケット)  加速度センサービーコン+BLEスマートオフィス

【課題】特設売り場に約300商品を陳列し毎日一定時間販売員を待機させているがお客様が来店しない時間に待機する効果と販売員のモチベーションの低下を考慮したシステムを構築したい。

【導入システムと効果】展示商品にモーションセンサー付きBLEビーコンを設置し、お客様が来場して展示品を試着したり手に取った際にモーションセンサーが反応して電波信号を発信。その信号を受け取り、異なるフロアにいる販売員の電話に接客指示を通知する仕組みを構築しました。これにより、販売員への適切な接客タイミングを通知し、販売力を向上させました。

一般オフィス(会議室)  圧力センサービーコン+BLEスマートオフィス

【課題】オフィスにおける会議室は会議室予約システムで管理しているが現場からは常に予約が困難(不足)とのクレームがある。実際にどの程度の利用率かを計測し適切な会議室を再構築したい。

【導入システム】会議室の座席に着座センサービーコンを取り付けクラウド版「BLEスマート・オフィス」を2カ月間稼働し各会議室の利用時間、利用人数等のデータ収集と予約システムを照らして会議室稼働率を分析した。結論的には大・中・小会議室の再構築を行い無駄を最小化した。

製造業様(業務用分電盤)  BLEスマートロケーション

【課題】生産管理及び工程管理上では各工程毎の目標時間が設定されているが緊急時に各工程時間の見直しを行う事で仕掛工数を短縮したい場合などの対応を標準化したい。

【導入システム】作業スタッフ様にBLEビーコンを携帯して頂き作業場での実作業時間と生産管理(工程管理)上の各工程作業の目標(予定)時間との差(Gap)を見える化し作業スタッフの作業スケジュールの変更等をリアルタイムに行う事が可能となった。

製造業様  CAD-825 カード型ビーコン + BLEスマートロケーション

【課題】完全防護服で作業する危険なエリアもある製造工程内での作業スタッフ様の入退出時間、作業ゾーン、作業時間などが自己申告ベースであった。又、夏には熱中症になるケースもあり緊急時には作業スタッフから管制室にコール信号を送信する手段が必要。

【導入システム】作業スタッフ様にコールボタン機能付きカード型BLEビーコンを携帯して頂き工場棟への入退場管理、所在管理、作業時間のモニタリングを見守りシステムとして構築。現場と管制室とのコミュニケーション強化に貢献。

一般オフィス  CAD-825 + BLEスマートロケーション

 【課題】優秀な人材を確保する事は企業にとって最重要課題です。一方社員様にとっては働き方改革やオフィス環境などは重要な企業選択肢となっております。多様化されるオフィス環境の中で即時決済型プロジェクトが増えており社内プロジェクトメンバーとの迅速なコミュニケーション手段は重要課題となってます。

【導入システム】社員様にはカード型BLEビーコン(CAD-825)を携帯して頂き社内に設置された大型モニターのタッチパネル操作でプロジェクトメンバーの所在場所を一覧できるシステム構築した。

公共施設(エネルギー) CAD-825 +  BLEスマートロケーション

【課題】施設への入退場は自家用車、送迎バスで事前に申告はあるものの実際に入退場した人の管理が緊急時においては必須となります。時速40㎞で走行する車に乗車した人の検知がテーマ。

【導入システム】入退場者にはカード型BLEビーコン(CAD-825)を携帯して頂きSmart Locationにて入退場検知を実施。複数個所に設置した受信機と各受信機が検知したゾーンの移動により入退場(方向性)検知が可能おなりました。

製造業様(電気開錠システム) CAD-825 + BLEスマートロケーション

 【課題】従来利用しているICカード(FELICA)による電気錠開錠システムをICカードでなくBLEビーコンにて稼働させたい。従来のICカード機能をBLEビーコンで肩代わりさせる事でカードを一本化したい。

【導入システム】電気錠開錠システムにBLE受信機を接続しスイッチ信号にて従来の電気錠開錠システムはBLEビーコンにても制御可能。各所の電気錠(ドア式、ゲート式)を開錠権限はBLEビーコンの属性情報に追加した為、従来無かったドア別、カード別開錠権限設定も可能となった。



標準的な導入スケジュール

IoTゲートウェイの電源工事やネットワーク工事はお客様にご対応いただきますが、導入決定後、これらの工事を含めて約2〜3カ月で本稼働が可能です。プロジェクト開始時には、お客様専用の開発環境をクラウド上に構築し、標準機能からカスタマイズ要件、変更内容の確認まで、すべてクラウド上で行えます。このため、スムーズで効率的な導入スケジュールを実現します。

BLEビーコン導入ステップ

容易な導入と運用

弊社では位置情報システムを導入するにあたり、「導入・運用の容易性」を最重要テーマとして掲げています。高度な位置精度はシステム導入の重要な要素ですが、それを維持するために専門的な知識や人材、さらにはコストや時間が必要となるのであれば、本末転倒ではないでしょうか。そこで、導入から運用・保守までお客様自身で実施していただけるよう、以下の点に注目して開発を行いました。

① 図面ベースでの登録とメンテナンス

ロケーション登録画面

エリア登録画面

ゾーン登録画面

GW登録画面

➁ 専門知識不要の位置精度管理

高度な位置精度を提供する「位置測位」手法とは違い、お客様が元々管理し易い位置情報を「ロケーション>エリア>ゾーン>Point to Point」に分類して頂きそれらをビジブルな図面(画像)に予め登録して頂きますお客様はそれらの画像情報をパズルの様に図面上で組み立てて頂きます。GWの設置場所と位置判定設定も図面上で操作して頂き万が一論理的不都合がある場合には自動検知もしますので安心してオペレーションして頂けます。導入初期からの変更も勿論お客様で実施して頂いておりますので安心して頂けます。

③ お客様用開発環境(VT IoTクラウドサービス)

 BLE IoTクラウドサービス

 

弊社ソリューションを導入して頂く場合、お客様用開発環境をクラウド上(Value-IoTクラウドサービス)に構築させて頂きます。

 

・ 標準機能確認

・ お客様独自のご要件内容の確認とカスタマイズ作業

・ 外部システム連携(Web-API)の確認作業

・ 仮稼働及びマスター一括移行作業

・ 本番稼働システムの保存(保証期間中のメンテナンス作業)

・ クラウド環境から削除

 

④ 導入・保守サービス

クラウド環境にてお客様向けカスタマイズ作業及び仮稼働が終了しますといよいよ本番環境構築となります。

  • ローカルサーバー構築サービス(ネットワーク設定、ベンチマーク、チューニング作業)
  • 各種属性情報一括移行作業
  • ベンチマーク及び最終チューニング作業

ローカルサーバー及びGW(受信機)へのリモートアクセスに関してはお客様のネットワークルールに従い実施致します。